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"好き"

たった二文字の言葉を言うのに何故こんなにドキドキとするのだろうか。

「ごめん!ちょっと電話…」

「えっ、あっうん」


ほんっと私ってばかばかばかばか!なんで?どうして言えないのよ!いつも言ってるじゃない(好きな食べ物とか、ブランドとか)
たった二文字、サ行の"ス"とカ行の"キ"の簡単な言葉じゃない!


「ごめん、ミーア。で、話しって?」

「えっ!あっえとね………あっほら!今度テストがあるじゃない?だからアスランに勉強教えてもらいたいなぁ~って」

「俺でよければ、いつがいい?」











「また告白出来ずにのこのこと帰ってきたのですか?」

「う゛っラクス姉、ひどい」


確かにこれで失敗3度めの正直を通り越して4度めだ。協力してくれてるラクス姉も怒るのも無理ないわ。

でも、私だって頑張ってるんだから。たまたまアスランに電話があったり、先生が用事を頼みにきたりって邪魔が入るから……。


「邪魔が入った。なんて言い訳にはなりませんでしてよ?」

「うへっ!?」

「顔に書いてありますわよ」

ラクス姉はエスパーではないか?といつも思う。なんか電波を飛ばしてそうだし。


「ふう、ミーア?このままでは他の方にアスランを盗られてしまいますわよ?」

「うぅ……わかってるけど、うぅ」

「アスランもアスランで普通の男性よりも大分疎いですからね、こうなったら手紙とかでは?」

「ううん!それは嫌!口で伝えたい。ちゃんと口で、私自身で」




*****


"大事な話があるから放課後、屋上に来て下さい"


屋上ってやっぱり定番すぎたかな?でも体育館裏とかってバトン部が占拠しとるし、かと言って教室はまだ生徒が残ってるし。


『では明日、頑張って下さいませ?わたくしもそろそろ腹が煮え繰り返りましてよ』

『ちょっ!ラクス姉、ひどっ!明日とかそんな~』

『ふふ、冗談ですわ。でもミーア、いつまでもうじうじしていたらダメです。後に後悔する事になるよりは当たって砕けて灰になったほうがましですわ』

『砕けたくな~い!灰とか嫌~』

『アスランはお優しい方ですから、万一砕けたってまた修復してくれますわよ。器用ですものね、ハロ』

『ラクス姉って黒い天然よね』



でも、無理だ。恥ずかしくてまた言えないかもしれない。でも言えないままだと、ラクス姉に怒られるし、それに本当に誰かに持っていかれちゃう。

「まだこない?わよね……」

確か一学年上のアスランのクラスはロングホームルームが長い。
なら今のうちに整理しておいてもいいかも。

「ふぅ、えっと……アスラン、私あなたの事が好きなの!」

なんか淡泊すぎない?

「アスラン、初めてあった時から実は一目惚れで好きだったの!」

ん~。

「私、今まで恋だなんてしたことなかったわ。でもあなたと出会って、女の子らしくなったし…少しは大人しくなったつもりなの。本当に感謝してる。ありがとう………って告白じゃないじゃない、これ」


「……初めて会った時、胸がドキドキして、男の人なのに綺麗だなって。見た目クールな人かと思ったけど、本当は優しくて、ちょっと天然入っていて、でもかっこよくて彼の全てが好きなんだなって私は思いました。…………あれ?作文になってない?」



駄目だ。いい告白をしようとすればするほど遠ざかって行く気がする。私って以外に弱い。
それにしてもアスランは遅い、アスランは約束は守る人だし。



――ギィ



「……誰かいる?」

今確かに扉の向こうで音がした。誰かいるならここで告白なんて恥ずかしくて言えない。
でも放課後というのに誰が?


私は好奇心だけは人一倍強い方だった。だから自然と足は扉の方に向かっている。
目の前の扉を開く。私は誰ですか?と口を開こうとしたが………。


「あっ………みっミーア……」

「アスラン………?」


何故アスランがここに座っているのだろうか?しかも体育座りなんて可愛いじゃない!じゃなくて居るなら来てくれてもよかったのに。


来れなかったから?


よく見ればアスランの顔は真っ赤。そういえばよくラクス姉に『ミーアは声が大きすぎますわ。内緒話だって内緒になりませんわ』と言われた。


と言う事は、さっきの予行練習は……


「あの……ミーア、その俺は笑えばいいのか照れればいいのかわからないんだけど」

「っ!きっきゃぁぁああああ!」












「んで結局どうなったの?」

「まぁ、それはあなたが1番知っておいででわ?」

キラは知っているのだ。アスランが一つ下の今隣にいる女性にそっくりな女性が好きな事を。

「可愛いよね、ミーアって。本物の天然だよ」

「元祖天然のアスランには負けますけどね」

「ちぇっ、賭は僕の負けか」

「ふふふ、では駅前の美味しい高級ケーキをおごってもらいましょうか。アスランから告白するなんてやはり無理だったんでしてよ」

賭とはミーア、アスラン、どちらが先に告白するかだ。
キラはアスラン、ラクスはミーア。勝負はラクスの勝ちである。

「僕も頑張ったのに。はぁ、財布君も風邪ひいちゃうね」

「キラはアスランに甘いですからね。アメとムチを使わないからですわ」

「………………黒い」



たった二言伝えるために









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