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「キラ!」
キラと言う名の元彼の襟元を掴みあげる。
彼が今の彼女とデート中だとわかっている。
「ふっフレっなっぐっぐるじぃよ……」
「こんにちは、フレイさん」
フレイはキラを開放するとラクスに向かい軽く挨拶をする。
最初は仲は良くなかった。(フレイが一方的に避けていただけだが)
「キラ!」
「フレ…けほっ、どうしたのいきなり」
咳込むキラの背中をラクスがぽんぽん叩く。
撫でてやるのが普通なのだが、キラは余計に噎せている。
「アスラン・ザラって人知ってる?知ってるわよね?」
「知ってるも何も僕の幼なじみだけど」
「何が好きなの?誰が好きなの?どんなの好みなの?」
また襟元を掴む。キラは苦しがってるがそんなのフレイは気にしない。
「いや、ちょっ?」
「アスランは桃とロールキャベツがお好きで、今はお好きな方はいません。好みはわかりませんが押しに弱いですわ」
のんびりとラクスはフレイの問いに答える。
フレイは成る程、とキラを放した。
「ありがとう。一応感謝はしてあげる」
咳込むキラの背を叩くラクスに背を向け、フレイはその場を後にした。
「何これ」
「ロールキャベツと桃よ?」
フレイの家庭教師であるアスランが見た物、巻かれたキャベツと桃の缶詰。
「確かに言葉的にロール(巻く)キャベツと桃……だけど」
「好きなんでしょ?」
アスランの好きなロールキャベツとは、肉団子をキャベツで巻き、スープで茹でる物なのだが。
「好きだけど……」
「じゃあ食べましょ!ああっ!缶切り!」
どうやら缶切りを忘れてたらしい。フレイは缶切りを探しに一階に降りていった。
あったわ!と小さく聞こえた。
アスランとしてはフレイの中間テストが近いため早く勉強を再開したいのだが。
どたばたと階段を登る音。
最近の若い女性ははしゃぐのが好きなのだろうかとアスランは思った。
「あったわよ!缶切り」
そう言ってフレイは缶詰を左手に缶切りを右手に。
ギーコギーコ
「………」
ギーコギーコ
「………」
ギーコ
「開けようか?」
缶詰はまったくもって開いてない。というか缶切りの使い方が全くもって違う。逆だ。
「いいの!私が開ける、開けてやるわ!先生は黙ってて」
そう言ってフレイは作業を続ける。
いや、缶切りが上下逆だから!
しばらくしてボコリと音がした。
缶詰には小さな穴が開いていた。
「ふふ、やったわ!ざまぁみろ」
穴の回りはボコボコとクレータができている。
アスランは家庭教師として、正しき使い方を教えなくてはと頭を抱えた。
結局正しい使い方を教えたので桃は皿の上に乗せられている。
「美味しい?」
「ああ、美味しいよ。キャベツさえ巻かなければね」
フレイが何を思ったのか、アスランの桃にキャベツん巻いたのだ。
フレイとしてはアスランの好物を合体させ、さらに美味しく味わってもらおうとしたのだ。
「確かに、私だと絶対に食べないわ」
なら巻くなと叫びたい。
「でもいきなりどうしたんだ?しかも俺の好きな物を、何で知ってるんだ?」
「キラに聞いたのよ」
正確にはラクスだが。
「キラに?フレイはキラと知り合いだったのか?」
「ええっと……昔の」
「昔の?」
「しっ師弟!そう師弟!」
哀れキラ。昔の男だとは言いたくないがために、勝手に師弟となってしまった。
「へぇ、成る程」
アスランもアスランで信じてしまう。
明日からアスランの中でのキラとフレイの関係は師匠と弟子に見えるのだろう。
「さて、勉強しようか?」
「えぇ~!嫌ぁ~」
「嫌じゃない。もうすぐ中間なんだから!」
「じゃあ、数学90以上とったら一つだけお願い聞いて?」
家庭教師のお約束。もちろんフレイはお願い=デートなのだが。
「90か、わかった。とったらな」
「ふふふ、見てなさいよ。キラから教わったカンニング術を試す時が」
「待て待て待てっ!かっカンニング!?キラから?」
哀れキラ。明日アスランに説教されるなどとは思っていないだろうに。
数日後、フレイとアスランがデート(何故かチャンコ鍋を食べている)をしているところを見かけたとか何とか。
私の先生とチャンコ鍋
アスフレ
相互の絵のお返しとして如月未佑様に捧げます
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