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最近、アスランに近付く男が増えた気がする。いや、増えたのだ、絶対。
今だってそう、斜め前の席に座るアスランに別のクラスの奴らが『ここが解らないから教えて』と言う理由をつけ、彼に近付く。
アスランは無防備すぎるのだ。直ぐに人を信用するところがとくに。
キラ自身に言い寄る男女もアスランに負けず多い。だが、キラは自分目当てでくる輩にはちゃんと注意しつつ追い払っている。
(一度襲われかけたら普通は警戒心を持つでしょ?同性でも)
キラがそう思うのは、キラも一度襲われた事があるからだ。
昔から、可愛いね、とか女の子みたい、とか言われていた経験がある。
夜道、いきなり後ろから抱き着かれ押し倒された。普通女性なら悲鳴をあげて泣き叫ぶだろう。
だが、キラは見た目は可愛いくて愛らしくても男。しかも運動神経抜群のコーディネーター。
服を剥ぎ取ろうとした乗っかってる男を返り討ちにした。
運悪くテストの成績が悪くて苛々していたキラを襲ったのだ。病院送りになったのも無理はない。
ちゃんとキラは救急車を呼んだ。勿論、何故そのようになったかは男が言う訳もなく、キラもまた「ヤクザと喧嘩したらしいですよ?」と苦笑いで言った記憶がある。
アスランも先日襲われたのだ。キラが幸いにもその場に遭遇したため助かったがその時のアスランは、
「殺されるかと思った。ありがとう、キラ」
とか言うのだ。キラが見たのは大柄な男に押し倒され、いろいろ触られてたアスラン。
それのどこが殺される、なのだろうか?
アスランは襲われている=殺されると認識したらしい。
だからと言って何が起きたかわかりません。みたいな顔でぼーっとしとくのもどうだろう。
いや、アスランの事だ、殺される瞬間にアスランは本能を動かす。だからアスランの戦闘指令室(脳)は「相手の出方を見る、第二戦闘配備!」とかになっていたのだろう。
それはそれで犯される危険性を回避できない。つまり結論はアスランは鈍い、鈍感、天然戦闘機としたい。
ましてや女性に対しても向けられる想いに気付かないのだ。
「何ぼーっとしてるんだ?」
「雲一つないこの澄み切った青空を見つめて、君についての論文を頭の中でまとめていたところだよ」
快晴の日は太陽が雲に隠れる事がないから眩しい。
だけど夏である今は、それがどこか懐かしい感じを与えてくれて心地良い。
「何だよそれ、そんなくだらない論文よりも目先の論文をまとめろ。一行も進んでないじゃないか!」
「嫌いなんだよね、こんなちまちましたのって」
わがまま言うな!そう言ってノートを丸めた即席バットでキラを殴る。
地味に痛いのだ、これは。特にノートの角。
「青空見つめて俺についての論文をまとめる力があるなら、この論文をまとめろ」
「君についての論文と、この訳わからない物と一緒にしないでよ」
一緒だろう?とアスランは不機嫌そうに言う。ムスッと眉をよせ少し膨れっ面が可笑しく可愛い。
「愛だよ、愛。僕はこの論文には愛を注いで書く事ができない」
君の事に関してだけだよ?
愛を注いで考えられるのは。
心は君一色
照れた様子も
慌てた様子も
可愛い僕の恋人さん
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