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ring
付き合い出して3ヶ月。
3ヶ月が山場とよく言われるが、自分たちは順調。
そして3ヶ月と言えば恋人に渡す物を購入する、よく言うじゃんか…給料3ヶ月分って。
だから3ヶ月、バイトをがんばってそれなりにお金を貯めた。
そして今日、買いに来たのだ。
なんと言うか、正直ブランド店なんて来た事がなかった。
でもせっかく貯めたんだから、ブランド物がいいなぁとか思ったんだ。
「こちらはペアで×万円ですが、よろしいでしょうか?」
「あ、はい!」
気に入ったデザインを見つけ、調べていた指輪のサイズを言った。
ペアなのは前にあの人が「買うなら同じのにしたいな」と言っていたからだ。
「では×万円となります」
レジの店員にお金を渡そうとポケットから財布を取り出した…のだが。
「あれ?」
中身は数千円しか入っていなかった。昨日の晩、確かに入れたはず……と言い切れる自信はない。緊張していてよく覚えていないんだ。
「お客様?」
「えと……あの~」
レジの店員の後ろから「お待たせいたしました」と綺麗に包まれた品物を前に置かれた。
とても恥ずかしい、今に「お金忘れちゃいましたー」なんて恥ずかし過ぎる!
「すみません、いくらでしたっけ?」
「え、ああ、×万円となります」
聞き慣れた声に振り向くと、品物を渡す相手が立っていた。
彼は財布から札束を取り出しレジ店員に渡した。
そういえば、この人は生粋のボンボンだったんだ。
「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」
「こんな店に来てお金を忘れるなんて……」
「う……あっアスランさんこそ!なんでここにいるんすか!!あんたはどっちかと言うと工具店だろ!!金より鉄派じゃないんですか!?」
「マユちゃんから電話がかかって来て………」
『すみません!お兄ちゃん、そちらにいませんか?お金の入った封筒を下駄箱の上に置いたまま行っちゃったんです!必要な物かもしれないんです!』
そういえば、お金は封筒に入れたままで、下駄箱の上に………。
鮮明に思い出された光景にガク然としてしまう。
俺のドジっ!
「で探していたんだ。おまえ、よくあの店を気にしていただろ?だからと思って」
「そ……だ!お金!あっ後で返しますから!!つーか家に寄ってください!今日返します!」
「いーよ、別に。俺が買ってやるから」
アスランさんはそう言って俺の頭を撫でた。身長差が憎らしい。
でも、買ってやるってそんなのは。
「ダメです!これは男のロマンなんです!」
「俺も男なんだけど……恋人に指輪を渡したいって思うさ、俺だって」
だから貯めたお金はちゃんと貯金をしとけよ。なんて彼は言った。
そりゃ、そうだけど、でも、でも!
「こういうのは挿れる方(彼氏)が買うもんですよ!!」
頭がヒリヒリする。きっとたんこぶが出来てるに違いない。
でも本気じゃないのに感謝。
あの人のげんこつは簡単に瓦を砕いてしまうだろうから。
「で、結局どうなったんだ?」
「割り勘~俺が買いたかったのに」
レイはまぁいいんじゃないか、とコーヒーを一口飲む。
まぁ、いいか。
左薬指の指輪があの人と同じで、カタチある恋人の証を手にいれたのだから。
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