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パフェ日和
男二人がパフェを食べるというのはどうだろうか。
一人で食べるよりは二人のほうがいいのは確かだ。が、恥ずかしい事に変わらない。
「うわ、スゲー!アスランさん!食べましょ!」
尻尾があるとはち切れる程に振ってるに違いない。
ついでに耳があるとビンビンだろう。
「……でかっ!くないか?これ…」
「アルティメットジャンボパフェDXスペシャルです!俺、食べてみたかったんですよ!」
テーブルの上には普通のパフェよりもかなりというか、テーブルいっぱいのゴージャスかつビッグな……アルティメットジャンボパフェDX…スペシャル?だっけ?
これを二人で食べるのだろうか…ふと過ぎった幼なじみの顔。
ああ、あいつなら食べるだろうな。
「アスランさん、アスランさん!」
「ん?」
「あーん」
銀のスプーンに乗った甘そうなクリームとチョコ。
思わず口を開けてスプーンを迎え入れた。
「甘……」
「パフェが辛かったら詐欺ですよ。んーうまい!」
俺の食べた分の二倍ある面積をシンは一口で平らげる。
その様子を見て可愛いと思うのだが――――何と言うか…親になった気分だ。
「アスランさんも、ほらっあーん!」
「ん、……甘い」
「あっ因みに制限時間は15分ですから」
はい?
「シン、どういう事だ?」
「あれ見て下さい」
――【アルティメットジャンボパフェDXスペシャル】
当店シェフが世界中のありとあらゆるパフェを合体させた究極作品!
また、食材、腕に力を入れております。
制限時間は15分、食べ切れればパフェ代またはオーダーしたメニューの代金は無料とさせていただきます。
食べ切れなかった場合、代金はいただきます。
自信のある方は挑戦してください。
※パフェの価格はレジにて発表☆――――
「おい、シン」
「がんばりましょう!アスランさん!二人の愛のパワーで」
「すまん、例え愛があっても無理だ」
パフェの価格はレジにて発表☆って何だろう。いくらなんだ?ものすごく性質が悪くないか?
そういえば感じる視線。
店内にいる人々が俺達に向ける視線だった。それは期待、緊張、興味を放っていた。
「シン……」
「大丈夫です!俺、頑張りますから!……ステラの仇は俺が討つ!」
「ステラも挑戦したのか」
想像しよう。可愛い後輩が、可愛いけど食欲旺盛なステラがこのパフェを食らいついてるのを。
あっ可愛い。
「ステラは、あと3分で食せたらしいんです」
シンの言う事はこうだ。
ステラ=アウル、スティングも挑戦したのだろうが無理だったと。
スティングはともかく、ステラとアウルが無理だったんだ、俺達も無理だろ。
「それに……キラさんが……」
「キラ?」
「キラさんが一人で食したらしいんです。10分内で!だったら俺達だって大丈夫、希望を持って食べましょう!」
キラが?一人で?ああ、奴なら食べるかもしれない。
優雅かつ余裕のマイペースでこのパフェを食べるキラ。
『やめてよね、これぐらいのパフェが僕に勝てるはずないじゃない』
……………………。
「シン、いくら持ってる?」
「……俺、中学生ですよ?」
払うのは俺か……そっと財布を開く。
その瞬間、頭の中で何かが割れた………気がした。
とろける甘さ、きっと帰ったら即行でキムチを食べるだろうな。
だが、正直に言う。
財布の中は寂しい。
おまけ
「へぇ、食べたんだ」
「死ぬかと思った」
「アスランはあんまりお金を持ち歩かないもんね。それは必死に食べたんだ」
「おまえ、伝説になってるぞ?」
あのパフェを7分ちょいで食べた男。その食べ技はまさしく神と等しい。
「しかもパフェの前にも色々食べてたんだって?」
「僕って食べてもすぐに消化しちゃうからね」
将来ニート希望の幼なじみに、フードファイターになれと薦めたほうがいいのだろうか?
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