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告げる想い




只今僕、キラ・ヤマトは青春真っ盛り中でございます。




「よぉ!キラ。帰りゲーセン行かねぇ?」


同じ塾仲間であり学校でもずっと一緒にいた悪友トールが僕に言った。

受験が近いため日曜日の朝早くから塾での勉強が続いていたため気晴らしにでもと塾仲間の皆でゲーセンに行く事になったらしい。

僕も正直あまり好きではない勉強をし続け気を晴らし遊びたいと思っていた。だから普段の僕ならきっと”行く”っと答えるはずだけど

「ごめん!今日も早く帰らなくちゃいけないんだ!」

両手を合わせ少し顔を伏せ断る

「またぁ~?最近付き合い悪いなぁ~」

”また”そう最近は友達からの誘いはほぼ断っている。それにはちゃんと理由があった。

「ごめんね。んじゃもう帰らなくちゃ!!また明日学校で!」

急ぎ自転車に乗りペダルをこぐ。後ろでトールの声が聞こえるが僕は振り向かなかった。なんだかんだ言って許してくれるのだ。彼は。

明日になればトールにも皆にも学校で会える。だから今日の残り少ない時間は自分の為に使いたい。

僕は急いで家に帰った。



「ただいま!」

玄関を開け今居る家の主達に挨拶をする。この時間帯なら帰ってくる声は二つ

「お帰りなさい。ちゃんと勉強してきた?」

一つめの声は優しい声でキッチンのドアから顔を出す母さんで

「お帰り」

階段の軽く軋む音と共に振ってくる低いような高いような柔らかい声色で出迎えてくれる義兄だった。

僕がそもそも友達の誘いを断ってまで家に帰らなければいけない理由はこの義兄にあった。



「どうだ?勉強のほう?」

母に言われ手洗いうがいを済ませた僕は義兄アスランの部屋に居る。部屋といっても大きな部屋の真ん中に二段ベッドを置き二つに割っただけでカーテンを引けば難なく入る事が出来る。

「まあまあかな?先生は今の成績をキープできたら志望校は確実だって」

「そうか。まっキラなら大丈夫だ。きっと受かるさ」

アスランはそう言いながらダンボールの中に服を詰めていく。僕はそれを黙って見ていた。


僕は15歳の中学生だ。もうすぐ入試がある。バスケ部に所属していたので志望校はバスケで有名な座富戸(ザフト)高校。本当はスポーツ推薦でいくつもりだったけど当日風邪を引いていけなかった。そんなに頭が良くなかった僕にとって筆記試験でザフトに受かる自信がなかったためトールの勧めで今の塾に通いだした。

どうしてもザフトに入りたかった理由はバスケだけじゃない義兄アスランの通っている高校だからだ。


アスラン、血の繋がりもない僕の兄。僕が小学校の低学年の時僕の家に来た。

お母さんの親友の子供らしく家はお金持ちだったらしい。アスランの両親が事故で死にその遺産目当てにアスランを引き取ろうとする人たちばかりがが集まり大変だったらしい。

「お金が欲しいのなら差し上げますから僕の事はほっといて下さい」

幼いアスランは皆にそういったらしい。お金の為に自分を利用する。そんなのは誰だって嫌だ、僕もアスランの立場だったらそういってたと思う。

それを聞いた皆は何も言わなかったという。そんな中僕の母はアスランは自分が引き取るといった。お金目当てではなく親友の息子をほっとく事は出来ないっと言い弁護士にアスランを自分の養子にすると目の前で申請したらしい。

一緒にいた父は急な事でついていけなかったがその時の母に逆らう事が出来なかったらしく言われるがままにアスランを養子に迎える事となったっと後に僕に話してくれた。

最初はアスランも他人行儀でぎこちない日々が続いたが僕は精一杯仲良くなろうと頑張り今となってはアスランは立派なヤマト家の一員である。

だがアスランと一緒に居られるのも今日と明日だけしかない。アスランがダンボールに物を詰めている理由、僕が早く家に帰ってきた理由もそれである。

アスランは家を出るのだ

僕が高校に入ると同時にアスランは大学に入ってしまう。アスランの希望大学はとってもこの家から通学するには遠い場所である。電車ならギリギリ間に合うのだがアスランは寝起きが悪い、乗り遅れたらお終いだ。そう言う理由でアスランは大学に近いアパートで一人暮らしをするようになった。そして明後日アスランはそのアパートに引っ越してしまうのだ。

この大きな部屋も明後日になれば自分一人だけとなってしまう。少しでも傍に居たいと早く帰ってくるのだ。

「ご飯よ!」

一階から母さんの声がした。ほぼ荷物を纏めたダンボール達はご丁寧に積み重ねられていた。

「うわッ!義兄さん!こんなに積み上げたら危ないよ!」

「そうか?なんか積み上げたくなっちゃうんだよなぁ~」

いくつですか?あんた。

って言いたくなるこの義兄は時折子供じみた事をする、さらに自分の事に関しては全く持って無鈍着で一人暮らしをさせるのははっきり言ってかなり不安である。幸い父の会社とはそんなに離れていない場所にアパートがあるので帰りに様子を見るとも言ってるし大学にはアスランの先輩でもありライバルと言い張ってるおかっぱさんと色黒さんがいるので少しは安心できるのである。


「お父さんは遅くなるらしいから先に食べちゃいましょ」

明日は家族皆でご飯を食べれるように父は残業を引き受けたらしい。

「明日はロールキャベツ作ってよ」

僕が母さんに頼むと隣にいたアスランが嬉しそうに母を見る。

もちろん!っと母は言った。




ふと眼が覚めた。時間というのは早く経つもので今は皆ベッドの中だ。

二段ベッドの一段目にアスランは眠っている。そっとはしごを降りカーテンを開けその寝顔を見る。

いつからだろう・・・アスランを義兄として見る事が出来なくなったのは。

いつの間にか自分は彼に恋心というものを抱いていた。義理とはいえ兄は兄、決して芽生えてはいけない感情だ。それでも諦めきれないこの思いは告げることなくアスランの引越しが決まった。

いつも自分を守ってくれたこの人を守りたい。

いかないで欲しいずっと傍でいて欲しい。

今思うのはそれだけだった。




「元気ないな~」

昼休み、トールの一言で夢の世界に旅立とうとしていた意識が戻ってきた。

「まあね・・・」

「どうした?悩みがあるのなら聞くぜ?」

今日しか居られない。そう思うと泣きたくなる。だからトールに相談する事に決めた。

「実は好きな人が遠くに行っちゃうんだ。」

「お前好きな人いたんだ!へぇ~そっか。その子あれか?寮かなんかに入るって奴?」

あまり詳しく詮索しないこの友に話して良かったと思った。

「まあね・・・明日には行っちゃうんだ。でも諦めたくなくて・・・どうすればいい?」

「明日か・・・どうせ遠くに行くんなら告れ!キラ!」

「告る~!?むっ無理だよ!そっそんなの!」

「馬鹿!今日告らなくていつ告るんだよ!取られっちゃったらどうすんだよ!駄目でも告れ!」

「っで、でもそn

『告白しなさい』

「はい」



っという事で告白する事になった。

家に帰ると母は買い物に行っているのかいなくてアスランがリビングにいた。

チャンスは今!そう思い

「にっ義兄さん!!」

「なんだ?キラ」

「・・・・//////」

いざ言おうと思っても相手の顔を見ると恥ずかしくなる

「どうした?用があるのなら早く言えよ・・・」

「あっあああのね!僕その・・・・////」

「?」

(もうヤケクソだ!!)

「義兄さんの事好きなんだ!!」

「俺も好きだぞ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


はい?


今なんとおっしゃいました?このお方?

俺も好きだよ?

即答?

それってもしかして

「もちろん義父さんも義母さんの好きだよ?」

やっぱそうきたかぁ!!!!この天然!!!!

そうだこの人は真っ直ぐ言ってもちゃんと伝わるかどうかわからないほどの鈍感だった。

「そっそうじゃなくて!!!///僕はえっと義兄さんの事がその・・・家族愛見たいじゃなくて・・・・えっと・・・義兄さんに恋してるんだ!!///////」

「そうか!俺に恋してるのか!なんだ!・・・・!?恋!?ってえぇ!!!」

もう自棄になった僕は退くこともなく更に攻撃を仕掛ける。

「そうだよ///!!ずっと前から義兄さんの事好きだったんだ!血は繋がってなくても兄弟は兄弟・・・駄目な事わかってるけど・・・それでも・・僕はッ!!」

「いや、!待て!!兄弟とかどうとか言う前に俺達男同士だ!!」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

「ああぁぁぁぁ!!!そうだったぁぁぁぁ!!」

ずっと禁断の兄弟恋愛の事ばっか考えてたから忘れてたけど男同士だった・・・一生の不覚だ!!涙が出てくる・・・

「えっとキラ・・・?気にするなよ・・・別に同性でも今は別に偏見無くなって来てるし俺は気にしない・・・なっ?」

優しい声色で僕の涙を拭うアスランはホント綺麗でまた涙がでて・・・・!?

「気にしないって?それってどういう意味なの?」

アスランは確かに言った”俺はきにしない”とつまりそれは・・・

「俺も///その・・よくわからないけど・・・キラの事嫌いじゃないって言うかむしろ好きだし・・・///今からでもキラの事そういう意味で好きになれそうだし・・・///」

これはOKという意味でとっていいのだろうか・・・同性で兄弟で・・・踏み越してはいけない線を思いっきり踏み越してるのに・・・

「んじゃぁ・・・こっ恋人になってくれるの?」

「もうちょっとお互い恋したらかな?///」

僕はそっとアスランに近づき頬に手を添えたアスランも僕のしようとしてる事がわかったのか眼を伏せた。僕の方がやはり身長が低いので背伸びをしゆっくりとアスランの顔に近づいた。

「ただいま~!!」

バッ

まさに触れ合う瞬間母が帰ってきた。

「あら?どうしたの?二人とも突っ立って・・・?」

お互い顔を伏せた。顔が熱くて仕方ない。

「???」

しばらく顔を伏せた息子二人と疑問符をつけた母は突っ立ったままだった。




「んじゃあ何かあったらすぐ電話するのよ?」

母さんがアスランに言った。アスランはこれからアパートに引っ越すのだ車の中で父も少し寂しそうにしていた。僕もこれから学校だ・・・帰ってきたらアスランはいない。

「うん。大丈夫。休みとかあったらこっちに戻ってくるから!」

次の休みは春休み・・・もう少しだがとても長く感じる・・・

「もういくぞ。キラお前も早く行かないと遅刻だぞ」

父に言われアスランは車に乗り込んだ。

「んじゃあ・・またね。義兄さん」

「あぁ。またな。」

軽く挨拶をし車は動き始めた。僕はそれをずっと見続けた。

「さっキラ!あなたも早く学校いってらっっしゃい」

「あのさぁ母さん・・・」

「なに?」

「僕が16歳になったらバイクの免許とってもいい?」






「えっと続きはまたな/////?」

そう言ってアスランは僕に合鍵をくれた。今は二つしかない鍵の一つを僕に・・・・・


僕が”義兄さん”から”アスラン”って呼ぶのはもう少し後。


fin



キリリク小説
キラ→アスで義兄弟設定






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