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貴方といたいから


「ごめんね!今からちょっと用事あるんだ!」

ヒカリはみんなに謝罪を言ってその場を後にした。


「用事ってなんなんだろ、まさかっ!!」

「多分違うよ、大輔君」

まさか彼氏!?とショックを起こした大輔にタケルはにこりと笑って否定した。



「ヒカリ、そんなに急がなくてもいいんじゃない?」

「だって練習中の姿を撮りたいんだもん」

クリスマスと言うのに…とテイルモンは半分呆れたが、去年もそういえば大変だったわね…としみじみ思い出す。

昨日はヤマトのバンドをタケルの誘いでみんなで見て、今日はみんなでクリスマスパーティーをしていた。
それなのに何故ヒカリはパーティーを抜け出して走っているかと言うと。


「よかった、まだやってた」

雪が沢山降っているから中止になるかと思っていた。

「よくやるわね、この寒い中」

「仕方ないよ、だってもうすぐ大会だもの」


太一が選抜に選ばれてからは本当に会う時間が少なくなってしまった。
朝早くから部活の後輩達と練習して、夕方はわざわざ電車に乗って違う中学に練習しに行く。帰りも8時を過ぎるので夕飯も一緒に食べれなかった。

もちろんクリスマスイブもクリスマスも練習で、朝から会っていない。
選抜に選ばれた事は凄いし、誇りに思う。だけどせめてクリスマスぐらいは一緒にケーキを食べたいのだ。

「みんな上手いな」

「うん、何十人の中から選ばれた人達だもの」

その中に兄がいる事にヒカリは嬉しい半分寂しさ半分だった。


楽しそうに、でも真剣な姿を愛用のデジカメで撮った後、ヒカリはずっと太一を目で追った。



「ヒカリ!?」

太一は驚くのも無理はない。ヒカリは今頃はクリスマスパーティーにいてるはずだ。

「抜け出してきちゃった」

風が強く、雪のせいで視界が悪くなった為に練習は中止になった。
だから門の前で選抜仲間と別れ、歩いていたらヒカリが立っていたのだ。

「おまえなぁ、寒いのに」

「だって、お兄ちゃんの練習してる所見たかったもん、それに…」


クリスマスはお兄ちゃんと一緒にいたいな。
その言葉は口から出なかった。


「それに?何だよ」

「お兄ちゃんが寂しくならないように、ヒカリがいてあげなくちゃね」

余計なお世話だよ、と太一はふて腐れるのと同時にヒカリの頭をがしがしと撫でる。
痛いよ、と笑いながら言ってるヒカリはテイルモンから見れば幸せいっぱいの顔。

「なんか食うか~腹減ったし」

「あそこのクレープ、美味しそう!」





いつかはきっと離れてしまう、だから今だけでもいい、大好きな人とこの日を祝いたい。

「メリークリスマス、お兄ちゃん」


願わくば、来年も貴方と










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