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猫の苦悩のかけら



「アグモンっていいよね」


突然、勉強中のヒカリが呟いた。
それは私に言っているのか、それとも独り言なのか…それはわからないが、耳の良い私が聞き逃す事はなかった。


「ヒカリ?」

何だか返事をしたほうがいいのでは?そう思い、私は読んでいる雑誌を閉じ、ヒカリに問いかける事にした。


「だってね……」

はぁ、とヒカリはため息をついた。頬に手を当て、顔を腕で支えるような姿勢で虚空を見つめている。


「アグモンはお兄ちゃんとずっと一緒なのよ」


それはそうだろう、パートナーなんだから。私がヒカリと一緒にいるなら彼らだってそうだ。

それに彼らは私たちとは違い、ほんの一時にしか同じ時間を過ごせない、ずっと一緒にいるのは当たり前な気がするけど。


「お兄ちゃんと一緒にご飯食べて、お兄ちゃんと一緒にお風呂に入って、お兄ちゃんと一緒に寝ているの………いいなぁ」


「……………」


「私も、一緒にお風呂に入って一緒に寝たいのに」


はぁ、とまたため息。
私はヒカリのパートナーだ、だけど………どう言い返せばいいの?
誰か教えてほしい、というか。


「それにこの前ね、夜中にお兄ちゃんの部屋に行ったの」

なんで!?

その行動に何か意味はあるの!?

「そしたらね、お兄ちゃんがアグモンを抱き枕みたいにして寝てたの、いいよね……私も……」


何の為に夜中忍びこんだの?と聞きたいのだけれど……どうしよう、聞けない。

まぁ、この時期はまだ寒いから、アグモンを抱きしめて寝ちゃうのはわかる気もする。


ねぇ、ヒカリ、そこは羨ましいと言うよりは、笑うところじゃないの?


「いいよね、アグモンになりたいな、そしたら私だって……はぁ」


私だって何!?何をするつもりなの??


ため息の後、ヒカリはまた勉強を再開させた。
私は雑誌を読む気になれず、頭を抱えるしかできない。



ああ、亡き友ウィザーモン。

私の最愛なパートナーがどこか危ない橋を渡ろうとしている。
パートナーとして私はどうすればいいの?



誰か……教えて下さい。









あとがき

ごめんなさい











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