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そこは暗くて、冷たくて、少しでも心が揺らぐと深い闇に堕ちそうな、そんな場所だった。

ひんやりと感じる感触は水のような物で、そういえばと辺りを見回す。




ここは――海だった。



なんて暗い海なんだ。
引きずり込まれそうになる。

「!?」

背後に感じる何かの気配。
キーンと危険を知らせる音がする。



うるさい、うるさい、うるさい。



うるさくて耳を塞ぐが、脳内にそれは響く。
いつの間にか、背後の何かが自分の周りを取り囲む。
昔、小説の挿絵で見た事がある。
確か、半漁人だったか。


ニヤリッとそいつら笑いながら近付いてくる。
暗い渦を取り巻きながら。


そっと、耳を塞ぐ手を放す。

そして、俺は――――



「殴り掛かって、全員口から泡吹くまで蹴り続けて、それでも次々分裂するもんだから腹立ってキレてさぁ、灯油ぶちまけて火をつけてやったり、持ってた刺身包丁で切り刻んだりしたんだ。そしたらいつの間にか俺はそいつらのボスになってた、……ってそんな夢見たんだ。ああ、怖かった」

みんなでデジタルワールドに行く事になった今日。
だが、小学5年組が掃除の為にパソコンルームで待つ事になった。

そしていつの間にか昨日見た夢の話しになったのだが、太一が怖い夢を見たといい――あの太一が怖いと言う夢はどんな物か――と周りは興味津々になったのだ。

「ほんっと、起きた時は冷や汗かいてたし、二度と見たくない夢だな」

ああ、怖かったなぁ。と太一はまた思い出したのだろう、少し顔を引き攣っている。
みんなは思った、いつも心がばらばらな纏まりがない選ばれし子供たちだが、今は心は一つだ。

流石の太一だ。
こんな時でも皆の心を一つにするのだから。


そして口を開いたのはその彼の親友だった。
その言葉は彼の言葉であり、みんなの言葉。








「確かに怖いな―――おまえが」




夢でよかった夢 現実だったら犯罪じゃん














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